紫微斗数ってなんぞや 「甲級主星について」上
結構な数なので,全てを暗記している人は少ないと思うので,今は全部を覚えようとせず,こんな星もあるんだなと思って読んでいただけたら…
さて本題ですが,これらの星が「宮」に入ることで意味を持ち始めるのですが,この星にも元々の意味合いがあります。
紫微斗数に使われる星には,それぞれ吉凶の意味を持つものから,特殊な場合に吉になったり凶になったりと様々です。とんでもなく数が多いので,それぞれ覚えるのは難しそうに思えますよね。
ですので,それぞれの星をランク付にし,『甲級』『乙級』『丙級』『丁級』『戊級』に分けられます。
なぜ,このようにランク付けがされているのかというと,『甲級』に近いほど人に与える影響が強く,『戊級』に近いほど影響が薄れます。
紫微斗数の流派によっては使う星の違いがありますが,今回はどの流派にも使われる『甲級』について解説していきます。
甲級主星について
先ほども述べた通り,その人の運命に大きく影響を与える星で,紫微斗数で吉凶の判断をする上で重要な星になります。『甲宮』には主星と呼ばれる星と副星と呼ばれる星に細分化できますが,今回は主星と呼ばれる14星に焦点を当てていきます。
甲級主星は,紫微星,天機星,太陽星,武曲星,天同星,廉貞星,天府星,太陰星,貪狼星,巨門星,天相星,天梁星,七殺星,破軍星の計14星になります。
それぞれの星は各宮に入ること,他の星との兼ね合いで意味合いも変わってきますが,それぞれどのような意味を持つのでしょうか。今回は7つの星を紹介します。
紫薇星
この星は,紫微斗数の中に出てくる星の中で一番の星です。「帝王の星」なんて呼ばれますね。強い力を持っているので,極端という言葉がぴったりかも知れません。
「尊」を表すので,品がよく謙虚な意味合いを持ちます。
どのような場面でも,自分を生かすことができる素晴らしい星です。
その一方で,孤独になりやすく一つのことに打ち込むのが苦手ですので,力は使いようといったところでしょうか。
天機星
知識と技術の星です。「善」を表しますので,敬意と思いやり等の持つ意味合いがあります。
しかしながら,何かをするのに性急に動く傾向があったりしますが,よく言えば臨機応変な対応ができます。
おそらく,その場面での最適解を出しやすいのはこの星ではないかと思います。しかし,飽き性の意味合いを持ち,これがこの星の悪いところです。
理想主義な部分もありますので,興味を持続できれば,それを専門として生かせる力も持っています。
太陽星
活気のある星です。「貴」を表し,さっぱりとした正直な意味合いがあります。
基本的にどこにあっても目立ち,他人に対して大きな影響を与えます。
じっとしていられないのが悪いところですが,人を引率する力があり,考えるよりも先に動いてしまうので,そこが吉と出るか凶と出るか…
他人の気持ちも汲みにくい部分もあるので,良くも悪くも自分本位な星ですね。
武曲星
合理的な星です。「財」を表しますので,意味の通り金銭に関係することに能力を発揮します。
粘り強く,何かを決めたらそこに向かうための決断と計画を立てる…とても一徹した性格をしています。
負けず嫌いなところがあるので,競争心の高さが災いすることがありますね。
細部に拘らず,大局を持って望む,とても客観的な視点を持っています。
天同星
社交性を表す星です。「福」の意味合いを持ち,災いを回避する術を持ちます。
平和的な解決に導く,人と親しくなれるといった意味合いを持ち,対人ならばピカイチの星でしょう。
しかしながら,一芸に秀でることは難しく「器用貧乏」になりやすく,自分が苦手なものからは逃げてしまうという性質がありますので,他人からの応援や援助が必須になる星です。
廉貞星
集中の星です。「囚」を意味し,何事にも全力を持って取り組む性質を持ちます。
境界線がはっきりしており,これと決めたものに力を注ぎます。不屈の精神と集中力を持つので,良い方に転べば大きな力を発揮します。
逆も然りですが,はっきりしすぎているところが悪いところなので,苦手意識を持つと凶に転じます。
天府星
知的な星です。「賢能」を意味し,どのような場面でも吉に転ずることが可能な星です。
じっくりと物事を進めることができ,バランスを取ることが得意ですね。
しかしながら,能力はあるのにそれを使わない節があり,細かいところには拘らない大雑把な部分があります。
自分をより良くしたい,という方向性を重んじて逆境にはあえて手を出すことをしません。
また,頼まれると断れない側面もあるので,何かと他人の世話をすることを意味したり…
以上が甲級主星の7星についてでした。
これらの星にも他の主星があるので,それは下に続きます。